人々はなぜAppleの製品に熱狂するのか?

サイモン・シネック(Simon Sinek)というTED Talkで有名なコンサルタントがいます。「人々をインスパイアする組織」や、優れたリーダーは何が異なるのかなどを講演や著書で伝えています。

中でも有名になったTED Talkのスピーチに「Start with WHY」があります。Appleのパソコンと、他のメーカーの高品質なパソコンはどう違うのか?

パソコンやスマートフォンを選ぶ時に、本当に大切なのは機能性だと思うのに、Appleの製品が発売されると各国で熱狂的なファンが長蛇の列を作るのはなぜなのでしょう?

もしも、アップルがこんなCMをしていたら・・・?

1.私達は素晴らしいパソコンを作りました。(WHAT)

2.とても美しいデザインで、使い方も簡単です。(HOW)

3.この素晴らしいパソコンを一台買ってみませんか?

この順番を逆にしてみたらどうでしょう?

1.私達が行う事のすべては、当たり前だと思っていることにチャレンジすることであり、今までと違う考え方をしてみることが大事だと思っています。(WHY)

2.私達が信念に基づいて作ったコンピューターは使うのがとても簡単で、美しいデザインが施されています。(HOW)

3.そして機能的にも素晴らしいパソコンが出来上がりました。1台いかがでしょう?(WHAT)

「WHY」からスタートするこのサークルを、サイモン シネック氏は「ゴールデン サークル」と呼んでいます。多くの組織やリーダーは、「WHAT」ばかりを強調して上手くいかないというのです。

私は過去マーケティングエリアでリーダーとして仕事をしてきて、彼のTED Talkのスピーチは何度聞いたかわかりません。そして自身のチームメンバーにも必ず聞いてもらいます。なぜならば、人々は「WHY」の部分が理解できない製品やサービスには熱狂しないし、心に響かないからです。

 

Why = 理念、価値観

チーム運営が上手くいかないとき、またはビジネスの売上が順調ではないとき、

 

・なぜそのビジネスをやっているのか?

・毎日職場に来てワクワクして仕事をしているか?していないとしたら何故なのか?

・そもそもそれを始めた時の理念は何なのか?

 

などの問いかけをしてみると、見えてくることがあるかもしれません。

企業理念というと、社長室の壁に貼ってあるだけのもののように思われますが、本来ならば全社員にきちんとワークショップなどを通じて浸透させるべきものです。

何故なら、そこがゴールデンサークルの中心であり、それがない組織やビジネスは持続的な成功をしないのです。

せっかく素晴らしい企業理念があるのに顧客に知られていないとしたら・・・ コミュニケーション担当責任者と腰を据えたミーティングをする時期かもしれません。

リーダーとして、一生懸命チームメンバーに伝えているつもりなのに、響いていないとしたら・・・ 信頼関係がまだ築けていないのかもしれません。

個人でも自分の価値観や理念をしっかりと持っておくと、迷った時にそこに戻ればいい、という意味でも重要だと思います。

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